A DAY IN THE LIFE
自由とはなんだろうか?
ハンドルから舗装の感触が伝わるほどクルマの中は静かで
湖面を渡る微風の音さえも聞こえそうだ。
すでに究極の駆動系で電気エンジンを待ち
ようやく登場した ベンツ3Electricを入手した。
従来の2倍のトランクに釣竿とアイスボックスを積んでいる。
降りてみると浜では少年が2人取っ組み合いのケンカをしている、
もう一人、仲良しの少女は涙をこらえ立ちつくしたままだ。
母親たちは構わず松の根元のベンチで楽しそうにお喋りを続けていた。
「おそくなってすみません、突然のクレームで切り上げられなかったんです。」
「悪かったね、突然呼んだりして。で、ケリはちゃんとつきました?」
「もちろんです。ボクもちょうど今朝さかな釣りをしたいと思ってて タイミングですね。」
餌だのルアーだの網だのを降ろし、ふりかえると
さきの3人はもう裸足でドッジボールを始めていた。
少女はウソのようにはしゃぎ、今度は微笑んで見守るおかあさんたちがいた。
朝の きらめく水上を舞う魚影にそそのかされ、イワナ釣りをする。
漁場では先客が何人か糸を垂れ、私もその仲間に加わった。
しばらくすれば太陽は山の端に消えるだろう。
3人はまた争うこともあるだろう。
「ボクの小さい頃はちがってたなあ、特に女の子。
泣いてても逃げずに待っている。 やれる子がいるんスよね、今は。」
男が肯こうとしたその途端 竿がゆれ鈴が鳴り
ウキが突然吸い込まれ姿を消した。
Are We Ourselves Free ?
2002/03/21 by S
>> THE INNER LAKE
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